2008年07月19日

72才の母です。以前は好き嫌いがなかったのに、2ヶ月ほど前から味覚がおかしくなり、何を食べてもまずいと言います。5

 72才の母の事なのですが、半分寝たきりの生活をしています。
 2ヶ月ほど前から食事があまり食べられなくなり、かなりやせてしまいました。味覚がおかしくなり、ほとんどの食べ物が甘く感じてしまうそうです。何を食べてもまずい、甘いと言います。
 以前は好き嫌いなくなんでも食べれたのに今はお米、バナナなど限られたものしか食べていません。量もほんの少しです。野菜も肉も魚も豆腐も食べられません。味噌汁に入れた細かい野菜も飲み込めないと言います。
 のどの上あたりがつっかえると言うので耳鼻科で調べてもらったところ、口の中がかなり乾燥していると言われました。まめに水分を取っているのですが、上顎あたりに痰のようなものがへばりつくようで、ぐえっーぐえっーとやって吐き出しています。つっかえる感じがずーっとあり中々良くなりません。
 最近亜鉛のサプリを飲み始めました。しじみ汁も1日1回は飲むようにしています。
 もうどうしたらいいのかわかりません。味覚が戻るのを気長にまつしかないですか?
 どのくらいの時間がかかるのでしょうか?
 長々と書いてしまって申し訳ありません。
 食べてくれなくて本当に困っています。

 安原歯科医院の安原豊人です。
 ドライマウスの疑いがあります。
 口腔乾燥症ともいわれ口の中や喉の渇きを主訴とする症状が現れます。眼に現れる乾燥症の「ドライアイ」と同様、最近徐々に注目され始めています。ドライマウス人口が増加している背景には現代人に多い主にストレスや不規則な食生活や薬物の副作用が原因であることがわかっています。
 軽度では主に口の中のネバネバ感、虫歯、歯垢や舌帯の増加、それに伴った口臭も現れます。重度になり唾液分泌量が低下し口腔内の乾きが進行すると、強い口臭、舌表面がひび割れ、割れた舌の痛みいわゆる「舌痛症」で食事がとれない摂食障害、なかには粘膜に一層膜を張ったような感じがするとか、粘膜表面がざらざらした感じがするなどの訴えも少なくありません。唾液が少なくなると口の中に炎症がおき、味覚異常が生じる場合もあります。さらに、会話時にしゃべりづらいなどの発音障害も現れ、場合によっては不眠をおこすこともあります。
 原因には、第一に食生活によるものがあります。現代の食生活では唾液を十分に出さなくても飲み込めるような食事が主流になっています。このため唾液の分泌が従来よりも少なくなり、口の中の潤いが足りず、口が渇く、舌がひび割れて痛い、などの症状があります。
 第二に精神的ストレスによるものがあります。ストレスがかかったり緊張をすると交感神経が刺激され、唾液の分泌が抑制されます。あまり緊張しないよう楽しくゆとりある生活を心がけてみて下さい。気分転換をしましょう。
 第三に薬物によるものも考えられます。抗鬱剤(抗うつ剤)、鎮痛剤、抗パーキンソン剤、降圧剤などの多くの薬物の副作用として唾液分泌の低下があります。薬の量を減らすなど担当医と相談が必要な場合もあります。
 第四に、年齢によるものもあります。年齢とともに口や顎の筋力が低下や萎縮がおこり唾液の分泌量が低下します。70歳以上で男性16%、女性25%の量的低下。80才では老人性萎縮により25%以上の低下があるといわれています。
 第五に、口で呼吸する(口呼吸)によるものもあります。鼻炎などの鼻疾患や癖などで口で呼吸をする人は、唾液は蒸発してしまい口が渇く原因となります。
鼻疾患の治療や癖を直す必要があります。
 その他、病気などによるものに、浮腫、脱水症、糖尿病、シェーグレン症候群、放射線治療によるもの、などがあります。
 治療法としては、生活指導や対症療法が中心となっています。口の中の粘膜保護が必要なことから、保湿力の高い洗口液、保湿ジェル、スプレーによる噴霧、夜間の乾燥を防ぐ保湿用マウスピース(モイスチャーとトレー)、夜間義歯などを症状に応じて処方、投与します。
 その他、ガム療法、味覚刺激療法、唾液腺マッサージなども症例に応じておこなわれます。
 シェーグレン症候群では内服薬と症状に応じた保湿性薬剤などを投与します。
 ドライマウス研究会のHP:http://www.drymouth-society.com/に都道府県別の歯科医リストがありますので、お近くの歯科医院を受診されると良いでしょう。


お問い合わせは
安原歯科医院(歯科口腔外科・矯正歯科・小児歯科・歯科)
安原豊人(日本口腔外科学会認定 口腔外科専門医)
安原美香(日本矯正歯科学会認定医)
〒673-0033 兵庫県明石市林崎町2-1-10
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